正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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五臓六腑って何でしょう?

     - 鍼灸治療

日本酒などをいただいているとき「五臓六腑にしみわたる~」というセリフを聞いたことがありませんか?

五臓六腑とは内臓のことであることは間違いないのですが、西洋医学でいうところの臓器のみを指すのではなく、からだのもっているその他の機能を臓腑の働きにふりわけたものなのです。

五臓とは肝・心・脾・肺・腎(肝臓、心臓とは言わないのです)のことで生きていくためのエネルギーの貯蔵庫であり、精神活動や感情を主(つかさど)るところです。六腑とは胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦のことで飲食物を消化吸収、排泄し五臓の働きを補助するところです。そして臓と腑は肝と胆、心と小腸、脾と胃、肺と大腸、腎と膀胱、三焦と心包とを対応させそれぞれが表裏の関係で密接な関連を持ち生理活動を維持しています。

次に五臓のとらえ方の西洋医学との違いを挙げてみました。


西洋…肝臓
東洋…肝臓と脳の働き(主として大脳辺縁系)、筋の作用、眼の調節など


西洋…心臓
東洋…心臓と脳の働き(主として大脳皮質)


西洋…脾臓
東洋…消化器全般の働き


西洋…肺臓
東洋…肺臓と体液代謝や体温の調節


西洋…腎臓
東洋…腎臓と発育、成長、生殖など

季節は春。ちょうど〝肝〟の病の出やすい時期です。肝臓の機能ももちろんですがストレス対策も上手になさってお過ごし下さい。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」245号(2006年5月6日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。