正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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三陰交 その二 安産・逆子・不妊のお役に立ちます

     - 鍼灸治療

「三陰交」の二回目は妊娠に関わることについて書いてみたいと思います。

妊娠とはさまざまな条件が整わないと起きない精密な生命活動です。男性の役割もたいへん重要ですが、今回は女性に関しての一般的な養生法・治療法について述べさせていただきます。

女性の子宮は腎・肝・脾の臓腑の働きと密接に関係しています。肝・腎・脾の経絡の交わる「三陰交」は子宮にかかわるいろいろな症状に使う大切なツボです。ただ、治療以前に、一番最初に申し上げたいのは「身体を冷やさないでください」ということです。服装だけのことではなく、食物にも充分気を配っていただきたいものです。

妊娠中は基本的には鍼を使わず灸のみの治療となります。三陰交と症状に必要なツボとの組み合わせで行います。いくつか例をあげてみましょう。

①妊娠しにくい方
三陰交と腎兪・中極の組み合わせで温灸をいたします。卵巣や子宮の働きを良くしホルモンの分泌を促します。

②安産のために
三陰交と腎兪の組み合わせで温灸をいたします。母体の体調を整え妊娠中の足のむくみやだるさを取ります。
子宮内の環境を整えます。

③逆子の灸
至陰と三陰交の組み合わせで至陰にはゴマ粒くらいのお灸をします。
三十五,六週くらいまで対応できます。

どの場合もおおむね、週一度来院していただき鍼灸師が施術し自宅での施灸の方法をご指導しております。

また、妊娠中にはつわりになったり、腰痛が起きたり、便秘をしたり、痔が悪くなったりすることがありますが、お薬を使うことを気にされる方も多いです。これらの症状にもお灸療法が役立ちますので気になる方はぜひご相談下さい。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」251号(2006年11月6日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。