正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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ハクサイ

     - クスリになる食べ物

鍋物に欠かせないのがハクサイです。またハクサイは、昔から、塩漬け、キムチなど漬物にする野菜として親しまれてきました。

ハクサイは色や味が控え目なので、どちらかというと主役ではなく、野菜の中の脇役といったところですが、しかし、栄養価の方はなかなかのものです。外側の緑色の葉の部分と内側の芯葉の栄養価が最も高く、その部分ではビタミンCが冬の果実のミカンよりも多く含まれています。

キャベツやレタス、たまねぎ、にんにくなども同じですが、結球する野菜は「球」になること自体が栄養素の貯蔵庫を意味するので、芯に近くなるほど栄養が蓄えられています。

ご承知のようにビタミンCは還元力が強く、生きること、働くこと、元気なこと、には欠かすことのできない成分の一つです。ハクサイを漬物にしますとビタミンCが効果的に摂取できますが、しょっぱくしすぎないように、塩分を控え目にすることがポイントです。

ミネラルでは比較的カルシウムが多く、鉄分、カリウムも含みます。カリウムは塩分を体外に排泄する働きがありますが、ハクサイを煮ますと、カリウムは煮汁の中に溶け出してしまいますので、鍋物のときはスープも飲むようにすると良いでしょう。

塩漬けにする場合は、気温、湿度を一定に保つようにして、2~4日熟成(乳酸発酵)させますと、乳酸菌が繁殖してきます。乳酸菌は、腸内細菌のバランスを整え、腸の働きを活性化させます。また、ハクサイの柔らかい食物繊維には、便通をスムーズにするだけではなく、腸壁に付着した発ガン物質を排泄したり、血中コレステロール値を下げる効果も期待できます。アクも少ないので、アレルギー体質の人も安心して食べられる野菜です。

良品を見分けるポイントは①全体の形は球形に近いものを選ぶ。②葉の先まで固く締まり、ずっしりと重みを感じさせるものを選ぶ。③茎や葉にごま粒大の斑点のないものを選ぶ。④切り口の中心が茶色に変色し、盛り上がっているものは避ける。……など。

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この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」182号(2001年2月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。