正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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「お灸」って何?

     - 鍼灸治療

「お灸」と聞くと、どんなものを想像されますか?
明治、大正の時代には身体の不調にお灸をすることは一般的でした。
昭和に入ってからは「悪いことをするとお灸をすえられる」という、
お仕置き的な怖いイメージができてしまいました。
平成の今にいたっては存在自体があまり知られなくなっているかもしれません。
お灸は私たちにとってとても身近で、またよく役立ってくれるものですので少しご紹介したいと思います。

お灸は今から約3000年前、古代中国の北の地方に発祥し、
我が国へは約1200年前、仏教伝来のころ伝えられたそうです。
明治初期までは医療の中心であり、民間療法として広く愛用されていました。
お灸の原料は山野に自生するキク科の植物”ヨモギ”です。
皆さんご存知の草もち(よもぎもち)の材料となる香りのよい葉です。
よもぎには優れた薬効成分が含まれており、食用のほか煎じて胃腸剤として用いたり、
生葉の汁を虫の刺し傷、切り傷につけたり、
冷え性対策のためにお風呂にいれたりとさまざまな用途に活用されています。お灸お灸をすると身体が芯から温まり気持ちよいのはもちろんですが、ただそれだけではありません。
お灸をすると私たちの身体にいろいろな変化があらわれるということが、
さまざまな研究機関での実験によりわかってきています。
お灸をすると温熱によるたんぱく質の変性ともぐさに含まれる薬効成分の浸透作用により、白血球が増加します。
白血球には体内に侵入した病原を食べて退治する働きがあります。
ですからお灸は免疫力を高め、病気になりにくい体づくりに役立つのではないかと考えられています。
また、長くお灸を続けていると赤血球も増加します。
赤血球は酸素や栄養素を全身に運び老廃物を運び去るという働きをしますので、
赤血球が増えるということは血のめぐりがよくなり体内の循環がスムースになるということを意味しています。

皆さんの中には「体に良いからといっても熱くて火傷をするのはイヤだわ・・・」と
お考えの方もいらっしゃるかもしれません。でもご安心ください。
ほんのりとあたたかい程度の温度でも充分に効果がありますし、皮膚にお灸の跡が残るということもありません。
ご家庭でも手軽に行えるタイプの灸もございますので、ご使用方法など当院にお問い合わせください。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」299号(2010年11月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。