正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

“全身調整”って?

     - 鍼灸治療

知り合いの方から、施術項目に”全身調整”とあるけれどどういうことですか?と質問を受けました。耳慣れない言葉を使わざるを得ないことを反省しつつ、この場をお借りして少し解説させていただきたいと思います。

東洋医学は患部そのものに主眼をおくのではなく、からだ全体のバランスをとることにより患部の状態を回復させようとします。それは全身を十四の経絡が流れ、それぞれが相互に助け合ったり、制御しあったりしているという考えに立っているからです。そして身体と心は別々のものではなく相互に関連していると考えています。鍼灸師は、なぜ不調なことが起きているのだろうと全身を観察し年齢・体力・季節なども考慮し、日常生活や食生活のお話も伺い施術の方針を立てていきます。たとえば、主訴が〝肩こり〟という方が来院されましたら、肩への施術はもちろんですが、眼を酷使されるお仕事の方であれば眼の疲れを解消する部位へ、ストレスが背景にある方にはストレス解消する部位への施術も組み合わせて行います。そして、食生活や日常生活へのアドバイスもさせていただき、身体が本来持っている自然治癒力をたかめていくようにいたします。この方法は「未病治」と言って病気の予防にも役立つものです。

このような治療をすることを”全身調整治療”と称させていただいております。

*治療方針を決定していく上でプライベートなことを伺いますが鍼灸師は医療従事者として厳しい守秘義務を 課せられております。個人情報を漏洩するということはまったくございません。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」244号(2006年4月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。