正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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夏の“冷え”対策

     - 鍼灸治療

女性は男性に比べて筋肉量が少なく活動度が低いことから一般に冷えの悩みは男性より女性に多く見られます。
当院に来院されているOLの方たちの夏のお悩みのひとつは職場の冷房です。男性諸氏は暑がりさんが多いようで冷房の温度設定を低くされ、女性はカーデガン、ハイソックス、膝掛けと対策を講じてはいらっしゃいますがお悩みは続きます。

日常生活での冷え対策は、運動、食生活、入浴、服装、睡眠などに注意しましょうと言われますが、私はこれらに腹式呼吸を追加することと、食生活についてもう少し詳しくお話ししてみたいと思います。

複式呼吸はヨガにいらしている皆さんにはおなじみでございますね。呼吸と自律神経は密接な関係があります。吸気は交感神経、呼気は副交感神経に働きかけ、交感神経が優位なとき血管は収縮します。副交感神経が優位になりますと末梢血管は拡張し循環が改善します。したがいまして吐く息に重点を置いた腹式呼吸はカラダをじんわり温めます。

食生活で、氷の入った冷たい飲み物は避けるというのは冷えに悩む方の常識となっています。口腔内に冷たい物が入った瞬間に交感神経が優位になり消化管の血流は減少し消化吸収、代謝全般に影響を及ぼします。全身をめぐるリンパ球の60〜70%を集積させIgA分泌など免疫にとっても重要な働きをしている小腸も血流が減少しますと免疫力の低下もおこるということになります。

また、暴飲暴食も冷えを招きます。暴飲暴食をしますと血液は消化管に集中し筋肉や末端部分の循環が手薄になり、冷えることになります。

ビヤガーデンもオープンいたしました。暑い夏は冷たい飲み物や食べ物がおいしいですよね。けれどもカラダはかなり頑張っているんだな〜と労ってあげてくださいね。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」332号(2013年8月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。