正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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秋の養生

     - 鍼灸治療

二十四節気では立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降までの6つの節気を秋に分類しています。今年の立秋は8月8日でしたが猛暑の真ただ中でしたね。

秋の養生法として東洋医学の古典には次のようなことが書かれています。

『秋の3ヶ月を容平(ようへい)という。それは、物の形の定まるきせつである。この期間は天地の気が引き締まり澄んでくるようにすべての物が収斂(しゅうれん)してくる。この時期にあっては早く寝て早く起きること。ちょうど鶏の寝起きのようであるべきだ。心を安らかにして、あれもしなければならなかった、これもしなければならなかったと心の中に欲望を押し込めるようなことはせず,遂げ得なかった志を悔やむことなく心をゆったりとさせる。精神を落ち着かせて秋の粛殺(しゅくさつ)の気が体をそこなうことのないようにし、冷えを受けて肺の臓を冷やすことがないようにしなければならない。』

日常生活の注意点だけではなくココロの持ち方もかかれているところがすごいですね。二千数百年前の人々も悔やんだりあせったりしていたのですね。

さて、まもなく迎える秋分は陰陽が入れ替わる季節の変換期です。そんな時期、目にはみえませんがカラダは季節の変化に対応するため普段よりエネルギーを消耗しています。そうしますとカラダを休ませなくてはというシステムが働き、眠くなることがあります。そんな時にはゆっくり休みましょう。

夏に開いていた肌のキメが閉じていないと風邪を引きやすくなります。涼しい風にあたり過ぎないようにしましょう。夏の間、汗をかき続けたカラダは秋になって空気が乾燥するころには乾きを訴えています。お肌やのどがカサカサしてきていませんか?秋は腸も乾燥して便秘になりやすいといわれています。

お肌は保湿を心がけ、カラダの乾きには旬の食べ物が効果があります。ただ、食欲の秋!とばかりに食べ過ぎますと秋は冬に向けて貯蔵しやすいカラダになっていますのでご注意くださいね。

粛殺‥ 秋の冷たくきびしい空気が草木などをそこない枯らすこと。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」333号(2013年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。