2013年も、もうすぐ終わりますね
- 鍼灸治療
この時期は『1年が経つのが早いですね』というのが挨拶がわりになります。
私自身も若いときよりも1年が過ぎるのが早くなったなあと感じます。
19世紀のフランスの哲学者ポール・ジャネが「主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く感じられる」という現象を心理学的に解明し、それを〝ジャネの法則〟というそうです。
法則があったのですか〜!!と少し驚きました。
千葉大学文学部 准教授 一川誠先生は「心の時計」と「実際の時計」の進み方の違いを研究しています。
4歳から82歳約3500人に自分が3分と感じた時点でボタンをおしてもらったところ年齢が高くなるほど実際の3分より長くなる傾向が出ました。つまり年をとるほど実際の時計より心の時計の進み方が遅くなるため時が経つのを早く感じるという分析をしています。
一川准教授によりますと実験研究から次のようなことが心の時計に影響を与えているそうです。
【1】代謝・・・運動をした後の方が時間を長く感じる傾向が出た。年とともに時間の経過が早く感じるのは代謝が落ちるからとも説明できる。
【2】感情・・・ガラス箱にクモを入れ一定時間(45秒)見せた後どれくらいの時間に感じたか尋ねるとクモに恐怖感のある人は平均56秒。恐怖感のない人は平均33秒となり、恐怖があると時間は長く感じるようである。
【3】時間に注意を向ける頻度・・・つまらない時間は時間に注意がむきやすいので長く、何かに集中していると短く感じる
【4】印象に残る出来事の数・・・子供はささいなことでも新鮮に感じ印象に残りやすい。大人はいろいろな出来事に慣れているので印象に残らない。
早く過ぎたと感じても、ゆっくり過ぎたと感じても1日は24時間、1年は365日とどなたも同じなのですね。楽しかったなぁ、良かったなぁ、よくがんばったなぁと思える日々を過ごしていきたいものです。
今年もありがとうございました。良いお年をお迎えください。
(参考 「大人の時間はなぜ短いのか」一川誠 集英社新書)
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」336号(2013年12月5日発行)に掲載された記事です。
著者 ●鍼灸師 |
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