正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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啓蟄のころ

     - 鍼灸治療

虫出しの雷という言葉があります。二十四節気の啓蟄の頃に鳴る雷を指します。立春を過ぎると土の中では春のエネルギーが少しずつ増え、冬ごもりしていた虫たちも春に向けて準備を始めます。その準備が整ってくるのが啓蟄の頃です。そしてこの時期に雷が鳴ると地面を走るその電気で虫たちは目覚め、いよいよ地上に這い出てくると言われています。まだ雪の残る北海道の我が家でもこの頃になるとどこからか蜘蛛や百足があらわれギョッとさせられます。こんなふうに思いもかけぬところからも春がやってきているのですね。

東洋医学の古典、黄帝内経には「春の三ヶ月を発陳という。冬の間かくれていたすべてのものが芽を出し、活動的になり始める時期だ。陽気の多くなる時期である。人体も陽気が多くなる。日の入りとともに寝て日の出とともに起きることだ。心身ともにのびのびと活動的な気持ちあるいは活動するのが良い」と記されています。

発陳(はっちん)聞きなれない言葉ですね。「陳」とは古いという意味です。冬の間表に出るに出られなかった思い、考えを春陽とともにどんどん行動して発散させるということでしょうか。

五臓六腑では春は「肝」に属する季節。「肝」の働きを妨げるものにはストレス、過労、目の使いすぎ、などがあります。「肝」の働きを助けるのは酸味です。ウツウツとするときや気分がすぐれない時は酸味を適度に摂るのがおすすめです。また「春の皿には苦味を盛れ」といわれるように春野菜、山菜の苦味を取り入れることも養生のコツです。冬の間は体温を逃さないために代謝能力が低下し、脂肪や老廃物を溜めやすいカラダなっています。

山菜や春野菜には新陳代謝を促して、体内にたまった余分な熱や水分を体外に排出する作用があります。

〝3月〟の声をきき、ココロは冬とはおさらばと思いたいところですがまだまだ寒い日もありますから体調に気をつけてお過ごしください。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」459号(2024年3月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。