正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

はり・きゅうの日

     - 鍼灸治療

日本記念日協会によると8月9日は野球の日、パーク(駐車場)の日などと一緒にはり・きゅうの日と認定されています。今回ははり・きゅうの日にちなんでお灸のことをお話します。

◎お灸はいつごろ始まったの?

二千年以上前、中国の北部にはじまり、日本に伝わったのは仏教や中国の医学書の伝来と同時期の6世紀頃だと考えられています。701年の大宝律令の「医疾令」ではお灸と鍼の学習を定められ、平安時代に編纂された「医心方」にはヨモギの薬効と灸療法の解説がされています。

◎お灸は何から作られているの?

お灸に使われているもぐさの原料はヨモギです。ヨモギの葉の裏には、白くてふわふわした綿毛が生えています。葉を乾燥させ粉砕し篩にかけ、この綿毛を集めてできるのがお灸に使われる「もぐさ」となります。

◎お灸にはどんな効果があるの?

お灸の温熱刺激により毛細血管が広がり、血液循環の改善に作用します。血管が収縮・拡張することによって局所のうっ血を調整し痛みをやわらげる効果があります。また免疫細胞からサイトカインが分泌され白血球が活性化され免疫力が向上すると考えられています。東洋医学では、皮膚表面と内臓を結ぶルート(経絡)の上にあるツボを介して自律神経の調整や内臓の働きを整えます。

お灸が日本に伝わって約1500年。西洋医学が主流となってからも消えることなく時代とともに進化し洗練され続いている治療法です。鍼は医師、鍼灸師以外はできませんがお灸はセルフケアができます。ドラックストア、ネットからも購入可能です。けれど初めてお灸をするときは鍼灸師の指導を受けた方がよいと思います。当院では「おうちDEおきゅう」というメニューがございまして、ひとりひとりに適した熱さのお灸、ツボの正しい取り方、点火の仕方など含め2500円でご案内しております。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」464号(2024年8月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。