正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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エコノミークラス症候群

     - 鍼灸治療

4月14日に熊本で大きな地震がありました。心の痛むことがたくさん起きています。

今回の地震報道の中で目にとまったのは“エコノミークラス症候群で死亡”という記事です。エコノミークラス症候群とは長時間、足を動かさずに同じ姿勢でいますと足の深部にある静脈に血の塊(深部静脈血栓)ができ、この塊の一部が血流にのって肺に流れて肺の血管を閉塞してしまうというメカニズムです。血栓が肺に詰まりますと胸痛、呼吸困難、失神などの症状が出て場合によっては心肺停止ということもあります。

初期症状としては大腿からふくらはぎに発赤、脹れ、むくみ、軽い痛みが出現します。

エコノミークラス症候群は震災の避難所や海外旅行のエコノミークラスだけに起きるものではありません。2〜3時間程度のバス旅行や、ご自分での自動車運転でも休憩がもったいないからと2〜3時間運転を続けてしまう時にもリスクはひそんでいます。

予防としましては次のような方法が提示されています。(厚生労働省ホームページより)

・長時間同じ姿勢でいない
・足や足の指をこまめに動かす
・1時間に1度はかかとの上下運動(20〜30回)
・歩く(3〜5分程度)
・水分をとる

避難所での軽度の体操の指導の報道映像を見ていますと当教室のヨガの準備段階におこなっていることばかり。足裏を揉む、足の指を開く、引っ張る。アキレス腱からふくらはぎを揉む、長座で座りアキレス腱を伸ばす、仰向けに寝て手足をブラブラさせるゴキブリ体操などなど。自分が被災してしまうことなど考えたくはありませんが、もしもの時にはヨガに来られている皆さんはエコノミークラス症候群の予防の方法を持っていますよとお伝えしたくて書かせていただきました。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」365号(2016年5月6日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。