がんを防ぐーブロッコリーー
女性の生理作用や骨粗鬆症に大きな影響力を持つのが卵胞ホルモンのエストロゲンであることはご承知の通りです。エストロゲンは骨にカルシウムを蓄積する働きを持っているのですが、閉経によってエストロゲンが分泌されなくなりますので、骨からカルシウムが溶け出すようになってしまいます。閉経後の女性に骨粗鬆症が多発するのはこのためです。
ところが、このエストロゲンが活発に働きすぎると今度は「乳がんを引き起こす恐れがある」といわれ、ネズミを用いた動物実験では乳がんの発生率が減ったことが確認されています。最近、日本でも乳がんの発生が増えていますので、この点は注目しておく必要があります。
ブロッコリーはキャベツの仲間で、芽キャベツ、カリフラワーなどと同じくアブラナ科の野菜です。抗ガン効果は乳房だけではなく、子宮頚部や結腸細胞にも有効といわれていますが、できるだけ生か、加熱を最小限にとどめて食べるようにします。
緑黄色野菜を毎日食べる人は、毎日食べない人に比べガン発生の危険が極めて低いことはすでに実証済みの事実です。がんになり得る遺伝子は、みんなが持っています。それを目覚めさせてしまうかどうかは、タバコなどの有害因子や、普段の食生活にかかっているといえます。大切なのは、なるべく発がん物質を体に入れないようにすることと、それに加えて、ガンを抑える作用のあるβ‐カロチンや抵抗力をつけるビタミンCなどを含む野菜を毎日とることです。
ブロッコリーにはビタミン、ミネラル、食物せんいなどバランスよく含まれています。中でもビタミンCはキャベツの4倍、レモンよりも多く含まれていますので、ガンの予防を考えた場合に、たいへん価値の高い野菜といえます。
ブロッコリーを選ぶときはポツポツしたつぼみが、すきまなくびっしり詰っていて、つぼみがかたくて濃い緑色のものにします。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」158号(1999年2月5日発行)に掲載された記事です。
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