動脈硬化・糖尿病を防ぐ‐もやし‐
穀類や野菜などの種子を水にひたし、光をさえぎって発芽させたものを、もやしといいます。
食用にするもやしの原料は大豆・緑豆(りょくず)が主流でしたが、最近はブラックマッペ(東南アジアから輸入した黒い豆)がほとんどで、アルファルファ(中央アジア原産のルーサーン、またはムラサキウマゴヤシを発芽させたもの)も、もやしの仲間です。低カロリーで、色が白いことなどもあって、栄養的にはすぐれないように思われがちですが、実は大変栄養価の高い野菜です。それともう一つ、もやしは農薬をいっさい使わないで、水だけで育った完全な無公害野菜であることです。
もやしは植物性のタンパク質が豊富な豆が発芽したものですから、豆の栄養的特徴を備えています。他の野菜に比べて多量のタンパク質を含んでいますし、ビタミンB1、B2、カルシウム、鉄分などのミネラルもいっぱいあります。また、原料の大豆や緑豆にはビタミンCやアミラーゼはありませんが、発芽によって生れたアミラーゼなどの消化酵素は、胃腸の機能を整え、食欲不振を解消します。ビタミンCは生命力の源といわれるほど重要なビタミンですし、ビタミンB群も多くありますので、成人病にも有効です。
また、豆と芽の部分には、食物繊維が含まれていますので、腸の働きを助けます。もやしの食物繊維は便秘や肥満を予防して腸の若さを保ち、大腸がん、動脈硬化、糖尿病などさまざまな成人病の予防に役立ちます。
中華料理では、もやしはなくてはならない素材。豚肉と大豆もやしを使ったスープ、肉絲緑豆芽湯(長ねぎ、ピーマン、にんじんなどが少々加わる)は母乳の出をよくする薬膳料理として有名です。
もやしの作りかたは簡単です。木箱(プラスチックでもよいし、段ボールでもよい)の底に通気孔をあけてワラを敷きます(鋸屑でもよい)。そのうえに1、2日水に浸けて十分ふやかした豆をのせて湿らした布で覆い、乾かないように適宜に水分を補います。春や夏は1日で発芽しますが7、8センチのびたものにビタミンCが多くあります。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」167号(1999年11月5日発行)に掲載された記事です。
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