正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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今年もあと2か月

緊急事態宣言下で年が明けた2021年もあと2か月となりました。感染症対策に明け暮れ、ワクチン接種に期待を高め、それでも何度かの波があり、ここに来てあっというまに新規陽性者数の減少。気は抜けませんが、少し穏やかな気分で年末を迎えられそうな気配です。

大変な思いをされた方も多かったと思います。ですが、学んだことも多かった。人の存在を改めて感じました。普段当たり前に過ごしていた家族や友人、職場の同僚など、会わないこと会えないことの影響です。

会っても、マスクをして共に食事することもなし。小学1年生では壁に向かっての黙食が給食のことだと思っている子もいるらしい。マスクが顔の一部のようになり、眼で判断する難しさを感じました。

行事という行事がことごとく中止になり、思い出作りなんて無理と言いながらも、アイディアを出し新しいものを作り出していく、そんな子どもの強さを感じました。人は様々な環境の中で適応していく強さを持っていました。もちろん、すべての人ではありませんが。

もうひとつ、強く感じたことがあります。社会的に必要不可欠な仕事をされているエッセンシャルワーカーから学びました。医療に携わる医師や看護師は知っていても、公務員や介護や保育、物流にたずさわる人など、これまで興味や関心は低かったのではないでしょうか。今回、私たちは知ることができたと思います。リスクにさらされて働くエッセンシャルワーカーにどれほど頼っていたことか。

この他、私たちの不安や不満を和らげたり、励ましたり、勇気や元気を与えてくれた、スポーツ選手やミュージシャン、などの人たちの存在もありました。オリンピックやパラリンピックは思うように運営できなかったのかもしれま せんが、感動しました。

この時を経験した子どもたちが、将来自分がどんな仕事をしたいのか、考える機会となっていたら良いなあと思います。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」431号(2021年11月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。