正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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3月と言えば

皆さんは、3月というとどんなことを思いつきますか?今年の冬はなかなか厳しいものでした。気温も低く雪になることが多く、北海道札幌は記録的な雪だったようです。新型コロナウイルス感染蔓延も続き、例年よりもいっそう雪解けの春が、春の日差しが待ち遠しいと感じます。

3月は冬と春の境目、季節の変わる時。ウキウキ、ワクワクの時でもあります。そんな新年度を迎えるために、年度末の仕事が山積している方もいらっしゃるかもしれません。

私の職場の大学では、この2年間は何とか卒業式をしていますが、親の参加や祝賀の会などはありません。こんな混乱の中、大切な将来を見極め、新しいステージに羽ばたいていくのは、大変なことと思います。その頑張りに、奮闘に、若者たちに向けてエールを送りたいです。きっとこの先も力強く進んでくれるものと信じています。

若者も我慢をしてきたでしょうが、歳を重ねてきた方々も、感染対策につとめられ、頑張ってこられたと思います。様々な行動制限の中で、時に人との交流が絶たれながらも、外に出る機会が減りながらも、健康の維持を工夫されていたようです。

この世界には、人間には頑張ってもコントロールできないことが起きてきます。人知を超えたものがあります。そんな時に、私たちは何を信じ、いかにすすむべきなのか悩みます。これは考える機会の提供であり、試されているときなのかもしれません。

「人事を尽くして天命を待つ」は、自分の全力をかけて・・・ということでしょうが、もしかすると今の時代では、自分だけではなく、そのことに関わる全ての人が、協力していくこと、これが大切となるような気がします。

人といかにつながっていくか、人との出会いを大切にするか、それがとても意味を持っている気がしてなりません。周りを見回すと、自分が思っている以上に頑張っている人がいることに気が付きます。3月はそんな人たちとのつながりを、改めて見直すことができる時期でもあるようです。

暖かな春はもうすぐです。

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この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」435号(2022年3月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。