正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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夏バテの後は、秋バテ?

今年の夏は暑かったですね。しかも、長かった。

ようやく暑さはひと段落して、ほっとしたはずなのに、身体がすっきりしない。
朝はだるくて、ごろごろしてしまう。
私はそんな日が続いています。皆さんはいかがでしょうか。
夜も冷房に頼りすぎたのが、良くなかったのかもしれません。
強い日差しと高温多湿で体力消耗したうえ、冷房と外気温の差に身体はついていけず、だるさを引きずっていました。

夏が終われば大丈夫、と思っていましたが、何となくなんとなくのだるさは抜けません。
これはいわゆる「秋バテ」です。
原因は夏に冷やした身体がそのまま回復しないうちに、急激な朝晩の変化にさらされるため、不調が続くのです。
夏のダメージを引きずるのですから厄介です。

対策は特別なことではありません。

秋バテを防ぐには、まず体内リズムを整えることが大切です。
日中はしっかりと太陽の光を浴び、夜はぬるめのお風呂で身体を温めること。そして睡眠です。
規則正しい生活が自律神経を安定させてくれます。

朝、起きたらベランダで数分だけ日光を浴びる。
夜はシャワーからお風呂に変える。
これだけでも違います。

暖かいスープやお味噌汁で、身体の中から温めることも効果的です。
ショウガを加えてもおいしくいただけますし、ぽかぽか温まります。

運動も効果的ですが、無理に始める必要はありません。
ちょっと歩いてみる。これで十分です。
セミの声から虫の声に変わった音に耳を傾けながら歩くのは、不思議と気分がすっきりします。

夏バテも秋バテも、季節の変化に身体がついていけないサインのようです。
だからこそ、普段頑張っている自分の身体をいたわって、ちょっと一息入れることが大切です。

食べること、眠ること、動くこと。
特別なことではありませんが、当たり前の習慣を丁寧に整えることが季節を元気に乗り切る力になるのだと思います。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」478号(2025年10月6日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。