正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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夕食にウエイトをおくのは

人は1日に、数回に分けて食事をします。多くの人は3回の食事習慣を持っているでしょうから、3食でエネルギー必要量をうまく分配することが求められます。

最も多いパターンの夕食にウエイトをおいた食事バランスは、BMIが上がるという結果があります。BMIとは、Body Mass Index の略で、肥満や痩せの判定に使われているものです。[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で計算します。たとえば身長160cm、体重53kgの場合、[53(kg)]÷[1.6(m)×1.6(m)]と計算からBMIは20・7ということになります。日本肥満学会は25・0以上を肥満とし、普通体重は18・5から25・0、低体重(痩せ)を18・5未満としています。

30~60歳男性の約3割が肥満と言われています。この場合、夕食を軽めにすることが推奨されています。夜遅くの食事はエネルギー消費がされにくく、体脂肪として蓄積されやすいためです。健康な方も、遅い夕食は食べすぎないほうが良いのは、皆さんご存じのとおりです。

けれど、夕食にウエイトを置く問題は、カロリー摂取過多だけでは済まされないようです。特に高齢者の場合、食事のタイミングがフレイルに影響しているという研究があります。3回の食事の中で、3食均等にエネルギー摂取する高齢者と、朝食と夕食にエネルギー摂取を多くする人では、夕食に多くエネルギー摂取する人たちがフレイルとなる可能性の高い結果を示しています。

フレイルとは、「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であり、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」をいいます。簡単に言うと、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。これには、体重減少や筋力低下などの身体的な変化だけでなく、気力の低下などの精神的な変化や社会的なものも含まれます。何事もバランスが大事なようです。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」484号(2026年4月6日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。