正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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健康づくりと運動

個人の生活の中に、運動が習慣として取り入れられることが大切です。
しかし、これはなかなか難しいこと。運動の効果をあらためて考えてみます。

呼吸の効果:トレーニングによって呼吸筋は発達し、安静時の最大換気量の増大、
呼吸数の減少、最大酸素摂取量の増大がみられるようになります。
慢性気管支炎や肺線維症などには、呼吸筋の強化を図る水泳や歩行が効果的です。
ただし、むやみに強化すればよいというものではなく、日常的に繰り返し行えることが大切です。

循環の効果:運動により、一回拍出量を増大させ、筋肉中の血管数を増やし、
筋肉内により多くの血液が流れるのを可能にします。
運動により、血圧の高い人ほど安静時および運動時の血圧が
減少するといわれています。

代謝の効果:糖代謝をみると、軽度あるいは中度の運動負荷は、インスリンを節約しながら
筋肉組織におけるブドウ糖の利用を盛んにします。
そのため、糖尿病の予防や改善に有効です。
ただし、インスリン投与を必要としない人に限られます。
脂質代謝では、持久的な有酸素運動を一定時間、20~60分以上行うと、
エネルギー源として中性脂肪を分解して得られる遊離脂肪酸が用いられるため、
結果として中性脂肪の減少につながり、肥満の改善や予防に有効です。

神経機能の効果:繰り返しの運動により、特定の神経回路が形成され、
ぎこちない動きからスムーズな動きができるようになります。

精神的効果:人間は本能的に身体的活動を求めていますので、その欲求を充足させることは重要です。
また、運動は副腎皮質を大きくし、その結果ストレスに対する抵抗力が高まるといわれています。

 

健康づくりを目的とする場合には、
強度:楽にできる程度、
時間:1回20~30分、
頻度:最低週に2~3回、が目安です。

少しは運動する気になりましたか?


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」189号(2001年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
北海道大学 大学院保健科学研究院 生活機能学分野 教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。