正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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秋の養生

     - 鍼灸治療

今年の夏は例年になく猛暑となりましたね。
お盆も過ぎると北海道は秋の気配。ナナカマドの葉が少し色づいてきています。
東洋医学では立秋から立冬までの3ヶ月を秋としています。

中国の古典、四気調神大論には秋の養生が次のように書かれています。
「秋の3ヶ月は実りと収穫の季節である。ときに冷たい風も吹き、葉も枯れ落ちる。
この季節の特徴に従って早寝早起きし、過労せず、気持ちを穏やかに保ち、
冷たい空気にあまりさらされないようにするのがよい。
これが秋の良い養生法である。もしこれに逆らっていると冬になると下痢を起こす」と。  
また、陰陽五行説によりますと秋に影響を受けるのは五臓の中の「肺」です。
東洋医学の「肺」とは解剖学上の肺の働きだけではなく
肺、気管、鼻、といった呼吸器系統と皮膚、皮毛を含めた概念です。
また精神的な面では悲しみ、憂いの感情を担当しています。
「肺」は周りの空気の状態に敏感で、潤いを好み乾燥が嫌いです。
「肺」はカラダに潤いを配る役目があり「外燥(外気の乾燥)」と
「内燥(体内の潤い不足)」が重なると皮膚の乾燥トラブル、
口、鼻、喉の粘膜の乾燥感、便秘気味などの症状があらわれるようになります。

そこで秋の養生のポイントは乾燥対策です。
*内側からの乾燥対策
百合根、白ゴマ、白キクラゲ、長芋、れんこん、
梨などの白い食べ物はカラダを潤す作用があります。
*外側からの乾燥対策
血流を良くし、睡眠を充分にとりましょう。
入浴後はお顔だけではなく全身のボディケアを。
その時には次のツボも押してあげてください。

合谷(ごうこく)
親指と人差し指の骨の付け根。
人差し指側。

【効果】
万能のツボ。腸の働きを高めて乾燥肌を改善する。

孔最(こうさい)
ヒジの曲がりジワの親指側と手首を
むすんだ線のヒジから
1/3下がったところ。

【効果】
肌のうるおいをコントロールする働きを高める。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」429号(2021年9月6日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。