正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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エダマメ

     - クスリになる食べ物

私たち日本人には、ビールのおつまみといえばエダマメが定番。
1999年の秋、アメリカ食品医薬品局が、
「このマメは、からだを守る抗酸化物質を多く含んでおり、心臓病のリスクを低下させる」と発表しました。
それ以来、人気が高まり、エダマメは日本語の名前がそのまま世界共通語となっています。
現在では、アメリカで「edamame」と表記され、この名前は世界的に知られています。
ひと言申し添えますと、エダマメは、植物名としては、エダマメではありません。
エダマメは未成熟なダイズですから、成熟すればダイズになります。
このマメのおいしさは収穫された後に急速に低下することがよく知られています。
そのため、ひと昔前までは、収穫から食べられるまで、枝につけたまま配送され、市販されていたものでした。

エダマメは枝つきで利用するところからついた名称といわれています。
エダマメは枝から離されると2~3日で、おいしさが落ち、柔らかな食感が消えて、マメが硬くなってしまいます。
大豆は「畑の肉」といわれるように、肉と同様の良質たんぱく質を多く含むことで知られています。
また、大豆たんぱく質はたんぱく源としてだけではなく、血中コレステロールを低下させる働きがあります。
エダマメは野菜の中でもとくにたんぱく質を多く含んでいます。
大豆イソフラボンやオリゴ糖、レシチンなどの生理作用も知られています。
レシチンは大豆や卵黄などに含まれるリン脂質で、人体の細胞膜などの構成成分。
高コレステロール血症や肝臓疾患などに効果があるといわれています。
茹でたエダマメと茹でた大豆の栄養価を比べると、たんぱく質と脂肪は約3分の2ですが、
野菜としては豊富に含まれています。ミネラルは茹で大豆とほぼ同様、ビタミンはエダマメのほうが多い。
エダマメは大豆には少ないカロテンやパントテン酸・葉酸・ビタミンCを含んでいるのが特徴です。
エダマメは茹でるのが簡単で、大豆よりも調理に手数がかからず、風味がよいので利用しやすいのが長所でもあります。

枝豆や三寸飛んで口に入る  正岡子規

枝豆


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」429号(2021年9月6日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。