虎杖について
- 鍼灸治療
明けましておめでとうございます。
今年は寅年ですね。そこでトラにちなんだエピソードをお話しましょう。みなさんは「虎杖」という漢字なんと読むかご存知ですか?北海道には「虎杖浜」という地名がありますのでかんたん、かんたん「こじょう」でしょう。もちろん正解です。ただもうひとつの読み方が「イタドリ」です。
2021年も2020年と同様にコロナ禍で緊急事態が発出され、私の仕事が再び停滞いたしました。こんな時はアマゾンプライムのアニメでしょう、と話題となっている「呪術廻戦」を見てみました。残念ながら2020年の「鬼滅の刃」ほどには心惹かれませんでした。数回見たのみです。。。そのアニメの主人公が虎杖悠仁(イタドリユウジ)というのです。虎杖がイタドリと読むのを浅学にしてこの時まで知りませんでした。イタドリといえば子供のころにはママゴト遊びの材料でした。大きな葉はお皿、葉が開ききっていないものは刻むとネバネバしているので納豆に見立てて遊びました。友だちの中にはスカンポとよぶ人もいました。こんなふうに私たちにはなじみのあるどこにでもはえている植物です。その「虎杖」が気になって少し調べてみました。イタドリは日本中の野山のいたるところで見られるタデ科の多年生植物。日当たりの良い路傍、山野、荒地などに群生。若葉をもんで擦り傷につけると痛みを和らげることからイタドリとよばれるようになったといわれています。茎の節ごとに赤紫の横縞の模様が入り、それが虎の模様に似ているため中国では虎杖と名付けられたそうです。漢方薬としても用いられ漢方薬の名前は虎杖根(こじょうこん)といいます。10月〜11月ころ、根を採集し乾燥させて用います。月経痛、利尿、緩下剤などの効能があります。そしてイタドリは食用にもなり若葉は天ぷら、茎はアクを抜いて酢の物や煮浸し胡麻あえなどでいただくことができます。私の育った家はいろいろな野草、山菜を食べる習慣がありましたがイタドリは食べたことがありません。今年の初夏の頃には食べてみようかと思っています。
北海道の地名はアイヌ語由来のものが多いです。今は胆振地方の地名となっている「虎杖浜」もアイヌの人たちはクッタルとはよんでいました。クッタルとはアイヌ語でイタドリがたくさんはえているところという意味です。クッタル→イタドリ→漢字で表記すると虎杖→虎杖浜というふうに地名がつけられたということです。ちなみにイタドリの花言葉は「回復」です。2022年はいろいろなことが回復しますように!!
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」433号(2022年1月5日発行)に掲載された記事です。
著者 ●鍼灸師 |
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