正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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桃の節句

     - 鍼灸治療

古いアルバムの中に、内裏雛を前に当時60代後半の祖母に抱かれた生後3ヶ月の私の写真があります。長じてから母に、初孫の初節句に祖母が用意したものだと聞きました。

「節句」は古代中国にルーツがあり、奇数が重なる日には陽が極まり陰が生じる日と考えられていたことから邪気を祓う行事が行われたことに由来します。

日本には平安時代に伝わり宮廷儀礼として行われ江戸時代には幕府が五つの節日を制定しました。明治6年陰暦から陽暦への改暦時に五節句は廃止されましたが現代でも春夏秋冬、季節の変わり目の行事として生活の中で楽しんでいますよね。

〈五節句〉

  • 1月7日 人日(じんじつ)の節句・・・七草の節句
  • 3月3日 上巳(じょうし)の節句・・・桃の節句
  • 5月5日 端午(たんご)の節句・・・菖蒲の節句
  • 7月7日 七夕(たなばた)の節句・・・笹の節句
  • 9月9日 重陽(ちょうよう)の節句・・・菊の節句

平安時代、上巳の節句には野山に出て薬草を摘みその薬草で体の穢れを祓って厄よけと健康を願いました。この行事が貴族の女の子の人形遊びである「ひいなの遊び」といっしょになりやがて武家社会へ広がり、さらに裕福な商家や名主の家庭へ広がり、庶民の間にも定着していきます。

明治生まれの祖母は節句を含め、二十四節気にかかわる行事も大切にする人でした。小さい頃に祖母と一緒に毎年かかわっていた行事は大人になってからも懐かしく、桃の花を飾り、ちらし寿司を作りましょうかという気持ちになります。

もうすぐ、春ですね。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」339号(2014年3月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。