正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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ピンクリボンアドバイザー

     - 鍼灸治療

ピンクリボン運動をご存知でしょうか。

乳がんの正しい知識を広め、早期発見の啓発、乳がんの研究の助成、患者支援などを行う運動です。1980年代にアメリカで生まれ、2000年代に入ってから日本でも患者団体と医師が乳房健康研究会を作り、活動が広まりました。

生涯に乳がんを患う日本人女性は現在、12人に1人と言われています。私も2013年11月にその一人になりました。術前の抗がん剤治療・手術・術後の抗がん剤治療・分子標的薬治療を経て現在は、がんサバイバーとして発病前の生活をしております。4回〜5回の入院治療が予測されましたので仕事の関係上、病気を公表いたしました。

その後、元気に仕事をしている私をご覧になっている方から2015年の秋から冬にかけて乳がんと診断されたが、がんの治療や手術についてどのような経過をたどるか、術後のQOLについてなどご相談をうけることが数回ありました。

私もそうでしたが乳がんと診断されますといろいろなことが頭をめぐりパニックに陥ります。そんな時、体験者の話を聞いてみたいと思うものです。

乳がんは組織型・病期(ステージ)・サブタイプにより治療法や手術の内容も違います。AさんはこうだったからBさんも同じというわけにはまいりません。また、心配してくださっての言葉がけだということはわかるのですが病気の真っ只中にいるものにとってはとても辛い言葉もありました。

自分のそんな体験をふまえ、主観にとらわれない、エビデンス(科学的根拠)に基づいたアドバイスができ、これからの治療や術後の生活の参考になれますようにと2015年12月にNPO法人乳房健康研究会 ピンクリボンアドバイザーの認定試験を副院長の荒木とともに受け二人とも無事合格いたしました。

がんになったのは残念なことでしたが私には幾つかのツールを持っていたことがラッキーだったかもしれません。はり・きゅうとヨガとF&E酵素です。

抗がん剤治療中の冷えやQOLの低下の改善、副作用としてあらわれる手足のしびれの緩和、また手術痕部のつっぱり感や冷えにお灸が役に立つことは体感いたしております。無理なく正しく行うヨガは肩関節の可動域の回復に役立ちます。F&E酵素は術後の回復や食欲がなく食事の取れなかったときに助けられました。

乳がんのことや検診のことなどで聞いてみたいことがございましたらいつでもお声をかけてくださいませ。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」363号(2016年3月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。