正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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夏の養生

     - 鍼灸治療

まさに盛夏ですね。

東洋医学の古典の中の四気調神大論に、夏は「草木が成長し、万物が茂り、花が咲き乱れ、陽気が最高潮に達する時期である」と書かれています。私のジョギングのホームグランド真駒内公園も、通勤経路の豊平川の河川敷も、仕事先に近い大通公園もわさわさわさと樹々の葉が生い茂っています。人間もこの「陽気」の影響を受けて朝は自然と早く目が覚め夜は遅くまで起きて精力的に活動することができます。一方で夏の暑さはカラダの中に熱=陽気をためます。その熱を発散させるため汗=陰気を出して体温を調節しています。こうして陰陽のバランスをとっています。

しかし何らかの理由でこの調節がうまく働かないとカラダの中に熱がこもり頭痛、夏バテ、熱中症などさまざまな体調不良が起きます。熱がこもって発散できない原因のひとつは「冷え」です。長い時間冷房の効いた室内で過ごすと汗腺が閉じてしまいます。冷たい飲み物や食べ物はカラダの中を冷やし内臓の代謝が落ちます。熱中症予防など夏の体調管理に水を多めに飲むようにすることは大事なことです。ただ、東洋医学の観点から「水毒」タイプの人はちょっと注意が必要です。無理に水を飲むとうまく代謝ができず、水分を停滞させ胃腸の働きが悪くなります。このタイプの方はカラダの巡りを停滞させる甘い物の取り過ぎに注意してください。そして利尿作用のある豆類や海藻を摂るようにしましょう。夏の養生の基本は適度に汗をかき、水分の補給を忘れず、シャワーだけで済まさずときどきは湯船に浸かるようにしましょう。

《水毒タイプ簡単チェック》

  • 浮腫みやすい
  • カラダが重くてだるい
  • 胃がもたれる
  • 鼻水、痰が出やすい

この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」452号(2023年8月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。