正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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夏バテ

     - 鍼灸治療

今年は7月の初旬から記録的な猛暑が続きましたね。みなさん、夏バテしてませんか?

夏バテするのは現代人だけではないようです。江戸時代の儒学者 貝原益軒も『養生訓』の中で「夏は気が盛んに発生し汗が出て人の肌膚が大いに開くため外邪が侵入しやすい。涼風に長く当たってはいけない。さらに夏は伏陰と言って陰気が体内に隠れているから食物の消化が遅い。なるべく少なめに飲食をするのがよい。温かいものを食べて脾胃を温めるがよい。冷水を飲んではいけない」と記しています。江戸時代も現代も暑いからと言って冷たいものをたくさん飲食しない、涼風 = クーラーに当たりすぎないと基本的な考え方は同じなのですね。

江戸時代の教えに加えて、夏バテの予防に次の3つのことにも気をつけてみましょう。

① 水分補給とミネラルの補給も忘れずに
ミネラルは必要な量は少ないのですが体の調子を整えるのに必要な栄養素です。
汗とともにミネラルも一緒に排出されてしまいます。カリウム、マグネシウム、カルシウム、リンなどを含む食材を摂りましょう。

② 食欲が低下しないために
食欲が低下してからの対策を考えるより胃腸の働きの低下を招く冷たい物の取りすぎに注意しましょう。

③ 屋外と室内の温度差は5℃以内に
温度差が5℃以上ありますと体温を調節する自律神経が対応できず乱れてしまい、さまざまな症状が現れます。

江戸時代には夏越(なごし)の灸、土用灸というものがありました。暑い夏にお灸?と思われるかもしれませんが胃腸の冷えの改善に効果ありです!!

現代人もこの伝統的なケアで夏を乗り越えましょう。こんな俳句もございます。

「人間をやめる気はなし土用灸」
山本志津香


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」380号(2017年8月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。