正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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ねじを巻く

     - 鍼灸治療

みなさんはデジタルタイプの時計とアナログタイプの時計のどちらがお好きですか?私は断然アナログタイプです。持っている時計は腕時計、置き時計、壁掛け時計を含めて9割がアナログタイプです。長針の位置から、あとこれくらいで出かけなくちゃとか長い針があそこまで行く間にこれくらい仕事ができる・・・と時間を2次元で把握できるところが好きです。

子供のころ家にあった柱時計は4〜5日に1回は付属の鍵のようなものゼンマイを巻かないと止まってしまいました。振り子があってチクタクと動きます。正時と正時半になるとボーンボーンと音で時間を知らせてくれました。

2年ほど前、知人から古い柱時計をわけてもらいました。その方もどなたからいただいたもので、もう動かない時計でした。時計としての働きはしませんがデザインが懐かしくてインテリアとして壁にかけていました。たまたま椅子の修理をお願いした30代後半のご夫婦が家にこられたときこの時計に興味を持たれました。昔の時計はねじでゼンマイを巻いて動いていたのですよとお話しました。電池ではなかったのですか?目覚まし時計も電池ではなかったのですか?朝ベルがならなかったら困りますよとおっしゃる。毎晩寝る前にねじを巻いたのですよとお話しするとおふたりで顔を見合わせてほぉ〜と驚いていました。そうでしたね。就眠儀式のように毎晩目覚まし時計のねじを巻いていましたね。

デジタル大辞泉によりますと〝ねじを巻く〟とは動力としてのゼンマイを巻くための意味の他に比喩としてだらしない態度や行動などを、しかったり励ましたりしてきちんとさせる。という意味があります。

〈使用例〉
「最近たるんでいるので少しねじを巻いてやろう」

時計やゼンマイ式のおもちゃのねじをきつく巻きすぎると壊れてしまうことがありました。2019年。壊れてしまわない程度に、緩んで止まってしまわない程度にねじを巻いて過ごして行きたいと存じます。今年もよろしくお願いいたします。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」397号(2019年1月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。