正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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秋の養生

     - 鍼灸治療

今年は暑い夏でしたね。8月の10日頃から私の家のまわりでは秋の虫の声が聞こえ始めました。暑い日々が続いていても季節がめぐっているのですね。

東洋医学の世界では秋は「収斂(しゅうれん)」の季節です。夏に活発に活動した「気」を体内に収め冬に備えます。秋に影響を受ける五臓六腑は「肺」です。「肺」という概念の中には鼻、口、喉など呼吸器全般を「肺」ととらえます。また、解剖学的な臓器の機能のほかに心理作用にも影響しています。陰陽五行説の中から「肺」が担当するお仕事をいくつかピックアップしてみましょう。


・・「肺」のバランスが乱れると「憂」の感情が現れると言われます。なにかわかるような気がしませんか?秋はなんとなくもの悲しくなりますよね。

燥邪と皮毛
・・秋は乾燥してくる季節。「肺」は乾燥に弱いのです。鼻、のど、肌トラブルに注意しましょう。


・・「肺」が担当する色は白。秋には白い物を食するとよいとされています。白菜、梨、蓮根・白胡麻、豆腐などがよいかもしれません。

そして「容平(ようへい)」という言葉で締めくくらせてください。「容平」とは万物は成熟し結実し容(かたち)が安定することです。きびしい冬に向けて春、夏に外に向けていたエネルギーを内側に向け冬に備えましょう。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」477号(2025年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。