正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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ゆりかもめ・ガンダム・東京湾花火大会

     - 鍼灸治療

タイトルをご覧になると夏休みで東京に遊びにいったのかしら?とお思いになるでしょうか。
今夏の鍼灸の研修は東京の有明地区に今年の4月に
開校したばかりの東京有明医療大学をお借りして行われました。
有明医療大学への交通手段はいくつかの方法がありますが私は新橋からのゆりかもめを選びました。
毎日、新橋駅からお台場の潮風公園駅には夏休みの親子連れが早朝からたくさん乗り込んで来ました。
車窓からはテレビドラマによく出てくるお台場の有名な風景と
今年話題の18メートルのガンダムを毎日眺めながら通学していました。
研修会2日目は 東京湾大花火大会のため交通規制やたくさんの見物客で身動きがとれなくなるということで
研修時間を繰り上げての終了となりました。
いつもの交通手段とは異なった方法で帰らねばならないというハプニングは
地方から行っている者には冷や汗モノでしたが、
ホテルに戻って窓から花火見物ができたという幸運もありました。

研修会では鍼、灸の技術的な講習もさることながら
「医心方」の現代語訳をライフワークにされている槇佐知子先生の講義が大変興味深かったです。
「医心方」とは984年(平安時代)に鍼博士丹波康頼が編纂した現存する日本最古の医学書です。
その当時日本に渡ってきていた多くの医学書の中には
ナーガル・ジュナ(龍樹)の処方もあったと聞き驚きました。
ナーガル・ジュナ(150~250ころ生没年不詳)はインドの仏教僧で
「空」の論理の根元的思索者といわれている方です。
当ヨガスクールのインストラクターコースでインド哲学の講義をしていただいています
石飛先生の講義にたびたび登場します。
「医心方」の講義の中で再会するとは・・・という心境でした。
同時に〝東洋医学〟は中国、日本のみならずインド・アラビア・チベットを網羅して
連綿と伝わった医学なのだなぁとあらためて実感しました。
何千年も前の人々が病いや怪我から回復するために年月をかけて伝承された医学を
大切に学び現代に活かせるように学んでいきたいと思いました。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」285号(2009年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。