正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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キュウリ

     - クスリになる食べ物

キュウリは、ギネスブックに「もっとも栄養のない野菜」と登録されています。
理由は90パーセント以上が水分で、カロリーが低いからです。
正確には「もっとも低カロリーの野菜です」というのが正しいと思います。
栄養の摂取というより、触感を楽しむ野菜といえます。
キュウリは「よく食べられている野菜のランキング」では、第8位です。
果実の部分を食べるので、トマトと同じように、果菜類に分けられます。
一年中売られていますが、本来は、夏が旬の野菜です。

江戸時代、お盆にキュウリの初物を川に流して河童に供える風習があったことから、
キュウリの海苔巻きを河童巻きと呼んでいます。
また、切り口が徳川家の三つ葉葵の紋に似ているため、
武士は恐れ多いと食べず、「下品の瓜」とされていた時代もありました。
しかし今では、ナスとともに、浅漬けの素材として定番ですし、
「漬物で好きな野菜ランキング」で、第1位。わが国は世界一の消費国となっています。
夏に食べるさわやかなキュウリの食感は、さっぱりとした食味とともにこの野菜のおいしさの魅力です。

ギネスブックで「もっとも栄養のない野菜」といわれますが、
栄養的には、六大栄養素の一つであるミネラルは十分に含まれています。
民間療法では、利尿、消炎、催吐などに利用され、特に、水分とカリウムが多く含まれることから、
利尿効果は大きく、高血圧の予防によいので、野菜としてそのまま生食します。
または、薄く輪切りにして天日乾燥したものを、1日量10gとして200mlの水で半量に煎じて滓を除き、
食後3回に分けて服用すると心臓病、腎臓病、胃腸病、
急性の腎炎や膀胱炎、二日酔いに効果があるといわれています。
キュウリはインド北部、ヒマラヤ山系地帯の原産で、わが国には中国を経て平安時代以前に渡来したとされ、
現在は野菜として全国で栽培されています。種類が多く、世界中で500種以上の品種が栽培されています。
中国では「胡瓜」または「黄瓜」と書きますので、
音読みしたのが「キウリ」で、日本では一般に「キュウリ」と呼ばれています。

胡瓜もむエプロン白き妻の幸
西島麦南

キュウリ


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」428号(2021年8月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。