こんぶ(昆布)
牧野富太郎博士の説によると、「日本で古くエビスメまたはヒロメと呼んだのを昆布というようになったのは、中国では早くから用いていたワカメが昆布で、のちの渡来品は海帯と名付けて区別したのを、当時の漢学者が混同したのだ」とあります。
「続日本書紀」の元正天皇霊亀元年(七一五-二三)に蝦夷須賀君古麻比留 (えぞすがのこまひる)らが先祖代々昆布を貢献してきたことが書いてあります。この時代にすでに先祖以来とありますので、昆布を食べていたのは実に古いことがわかります。
エビスは蝦夷地のことですから、エビスメは蝦夷に産する海藻というわけです。メ(海布)というのは、海藻類が布のように広幅であるところからいわれていますが、アラメ(荒布)・ワカメ(若布)というように、海藻には、いつのころからかメという名がついて、ヒロメという名も幅が広いところから称せられたものです。また、アイヌ語でこの海藻をコムブ(kombu)といったので、これを音訳して昆布としたともいわれています。コンブといわれるようになったのは、平安朝のころからです。
中国の「呉普本草」に、綸布(カンポ)一名昆布とありますが、やがてこれを用いるようになります。綸は、リンまたカンと読みます。糸のことです。つまり青色のひもという意味もあります。このカンポが訛って昆布(コンポ)となったものです。
「宵の昆布は見逃せぬ」という諺がありますが、「和漢三才図会」には「凡そ昆布は黒焼きにして口舌歯牙の病を治し、梅干し効を同じうす、また、水腫の病人用ひて、鯉と昆布とを水にて煮、その鯉を食へば小便通ず、二物ともに水腫を治するの効あるを以て也」とあります。
昆布は日本のうま味文化の基礎となっていますが、そのほか食物繊維をたくさん含んでいますので、低エネルギーによる肥満防止や血中コレステロール値を正常に戻したり、血糖値の上昇を抑える作用があります。昆布を食用にするのは、中国、朝鮮半島、日本ですが、古来、いちばんよく食べてきたのは日本人です。
F・E青箱は、最高の昆布といわれる「ミツイシコンブ」のバイオエキスをベースにF・Eエキスをブレンドしたものです。
日高 一
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」264号(2007年12月5日発行)に掲載された記事です。
著者 |
|
略歴 |