ピーマン
唐辛子のうち、辛味のない中型から大型のものを一般にピーマンと称しています。原産地は熱帯アメリカといわれています。日本でも江戸時代には唐辛子が栽培・利用されていましたが、辛味種が中心でした。明治になってアメリカで改良された甘味種が導入されましたが、当時はあまり普及しませんでした。全国的に普及したのは第二次世界大戦後で、形・大きさ・肉の厚さなどの異なる品種が数多く生まれました。
ふつうピーマンといえば緑色の青ピーマンが一般的ですが、青ピーマンはまだ熟していない緑色のものを収穫したもので、完熟させて赤くしたものが赤ピーマンです。赤ピーマンは青ピーマンに比べてピーマン臭さが少なく甘みが増します。完熟すると黄色やオレンジ色になる品種もあります。
ピーマンには抗酸化作用のあるビタミンAやCが含まれています。中でもビタミンCは意外なほど豊富なので、夏風邪の予防、夏バテ防止に欠かせない夏野菜です。ビタミンPも豊富。ビタミンPはビタミンCの酸化を防ぐ働きをするのでビタミンCが効果的に働きます。
ピーマンは油で炒めるとビタミンAを消化吸収しやすくなります。ビタミンCの方も、ピーマンの場合は加熱しても壊れにくいので、生で食べるより量も食べられますし、加熱すると、独特の苦みも抑えられ、甘みが増します。ですが、長時間の過熱は当然栄養分を失わせる要因になりますので、強火で短時間炒めるのがよいでしょう。ピーマンは炒めて食べるとビタミンCを摂取するのに理想的な野菜の一つでもあるといえます。ビタミンが豊富なピーマンは、細菌に対する抵抗力をつけるなど、夏バテ防止に有効。さらに、ピーマンの葉緑素はコレステロールが腸から吸収されるのを防いで、体外に排泄する働きを持っています。またホウレンソウや小松菜と同じくらい豊富に含まれている食物繊維にも、コレステロールの吸収を予防する効果が期待できます。
また、動物実験で、白血球数を増加させる作用がかなり強いことや、免疫力をアップする作用があることも確かめられています。
ピーマンの中の
空気は忘れもの
能村研三
西野次朗
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」465号(2024年9月5日発行)に掲載された記事です。
著者 |
|
略歴 |