正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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冬至カボチャ

     - クスリになる食べ物

私の子供のころは冬至が来るとカボチャをアズキと一緒に煮て食べました。
青物の少ない冬至に、β-カロテンを多く含む野菜や栄養価に富む豆類と一緒にカボチャを食べると、
夜盲症などを防いだり、風邪を予防するという生活の知恵から生まれた食生活のひとつです。
また、カボチャをたくさん食べているとよく眠れるようになるといわれます。

カボチャ(南瓜)をはじめ、果菜と呼ばれるキュウリ(胡瓜)、スイカ(西瓜)、
ニガウリ(苦瓜:ツルレイシ、ゴーヤー)やトウガン(冬瓜)といったウリ科植物の果菜類は、
古くから健康食材の野菜として食べられてきました。
果菜類の種子には薬効もあるといわれていますので、食にも薬にも用いられてきました。
果肉はシトルリン、アルギニン、アスパラギンなどのアミノ酸、アデニン、β-カロテン、
ビタミンC・Eや糖類、カリウム・亜鉛などのミネラルを含んでいるので、
食べることで視力を改善し、冷え性や肩こりに効果があります。
また粘膜や皮膚の抵抗力を強くするβ-カロテンを多く含んでいるので、風邪の予防効果が期待されます。
食物繊維も豊富ですから、コレステロール値を下げ、
便通もよくなりますので、大腸がんの予防にも役立つ食材です。

種子にはリノール酸やパルミチン酸などの脂肪酸やビタミンC・B1・B2、ククルビチンなどがありますので、
漢方では条虫や回虫の駆除に優れた効果があるとして古くから用いられています。
そのほか産後のむくみや母乳の不足にも用いられます。
貝原益軒は「大和本草」で、西瓜より早くにわが国に渡来し、その食味がよいと述べていますが、
カボチャは食材としてだけでなく、古くから知られた本草(薬草)です。
カボチャはメキシコから南アメリカの高原地帯が原産のウリ科の1年草です。
わが国では、1541年にポルトガル船が豊後(大分県)に漂着し、領主にカボチャの種子が贈られ、
それを蒔いたのが栽培の始めだといわれています。
カボチャの語源は、カンボジアから入ってきたために、カンボジアが訛ったものといわれています。

我が南瓜
ひき臼程になりにけり
高浜虚子

 

かぼちゃ


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」408号(2019年12月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。