おからとゆば
おからは、庶民的な総菜の代表格といえます。初夏に小さな白い花をつける卯の花のように見えることから「うのはな」とも呼ばれます。
とうふを作るときにできる絞りかすがおからですが、かすといっても栄養価はたっぷり残っています。おからにそのまま残っているカルシウムと繊維は、現代人に不足しがちな栄養素です。足りなくなると骨粗鬆症になりかねません。ちょっと転んだだけで骨折したりするのは、カルシウム不足のせい。また、食物繊維は便秘を改善し、コレステロールがたまるのを防いでくれますので、動脈硬化の予防にも役に立ちます。このように見てくると、中高年や美容に気を配りたい若い女性には、取り入れてほしい食品といえます。ボリュームもありますのでダイエット食にも最適。
ゆばはとうふと同じく、豆乳からつくられますが、豆乳をゆっくり加熱し液の表面にできる膜状のものをすくいあげたのがゆば。豆乳を加熱すると表面に集まってくるだいずタンパク質のグリニシンなどが凝固したものです。豆乳中のレシチンなどの脂肪もとりこんで固まりますので、だいずの栄養価を凝縮したすぐれものなのです。つまり、ゆばには質の良いタンパク質や脂肪が凝縮されて固まっているわけで少量でも質の高い食品といえます。生ゆばのほかに乾燥させた干しゆばもあります。
ゆばは、他のだいず食品に不足しているアミノ酸のメチオニンが豊富なのが特徴です。メチオニンには肝臓にたまる脂肪を防ぐ働きがありますので、肝臓に負担をかけるアルコールを飲む機会が多い人には食べていただきたい一品です。
西野次朗
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」475号(2025年7月5日発行)に掲載された記事です。
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