正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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高血圧・動脈硬化を防ぐ‐ニンニク‐

     - クスリになる食べ物

群を抜いた強壮作用と殺菌作用で知られるのがニンニクです。ヨーロッパに伝わる食物療法では、高血圧や動脈硬化、胃腸の薬として用いられています。

ビタミンAや鉄分は微量ですが、ビタミンB1、カリウム、マグネシウム、亜鉛、銅などの栄養素は豊富に含まれています。

ニンニクの薬効のカギをにぎっているのはアリシンとスコルジニンという成分です。アリシンはニンニクの強いにおいのものとなる成分で強力な殺菌作用をもっています。

スタミナ増強に効果のあるのはビタミンB1ですが、アリシンはB1と結合するとアリチアミンという物質に変化して、消化機能の働きを整えるほかB1を体にためておくことができるようになります。つまり、体が疲れているとき、必要に応じて疲労回復のビタミンB1が少しずつ使えるというわけです。

また、アリチアミンはB1分解酵素のアイノリナーゼの作用をうけないので、B1不足から起きる脚気、神経痛、便秘などを防ぐ働きをします。このほか、新陳代謝を高める効果がありますので冷え症やリウマチなどを改善する効果も期待できます。

もうひとつの有効成分スコルジニンは、血圧を下げるというたいへん貴重な働きをします。スコルジニンは善玉コレステロールを増加させ、悪玉コレステロールを抑制する働きをするので、血液がサラサラにきれいになります。その結果、体の末梢の血液循環がよくなって、血圧が下がるわけです。

コレステロールを下げる実験でも、ニンニクは降コレステロール剤より高い効果をあらわしています。コレステロールが高いとさまざまな成人病を誘発しますのでニンニクの常食は成人病の危険を減らしてくれることにつながります。

ただし、たくさんの薬効があるからといって多食すれば良いというものでもありません。目の悪い人は眼病を悪化させるので、多食しないほうがよいでしょう。また、胃や十二指腸に潰瘍のある人も同様です。

目安としては1日に1~2片ほど。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」162号(1999年6月5日発行)に掲載された記事です。

著者
福士 高光
株式会社ケルプ研究所 代表取締役会長

略歴
F・E・ヨガライフ協会会長。理学博士。F&Eシリーズ開発者。