正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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旅行、いきますか。

Go Toトラベルが延長されるようです。
皆さんはこの時期の旅行については、いろいろ考えたことと思います。
旅行して良いものだろうか。旅行して大丈夫だろうか。
時には、「お隣は旅行したらしい。危ないなあ」「旅行に行ったことは言えないなあ」なんてありませんか。
なかなか安心して旅行に行かれない今、どう考えるべきなのでしょうか。

経済の活性化の問題は置いておきます。旅行した人の効果をみてみます。
かつては、病気を患ったり、精神的に辛くなったりした時に、患者には外の空気を吸うこと、
たとえば潮風にあたること、山の空気を吸うことが勧められたそうです。
旅行は単なる娯楽ではなかったのです。健康面で良い影響があったということです。

確かに、旅行したから病気が治るというわけではありませんが、
いつもと違う景色を見ることで、新鮮で穏やかな時間、すてきな時間を過ごした経験は皆さんお持ちと思います。
今、どうしようか迷っているのであれば、感染対策を万全にして、出かけると良いかもしれません。
旅行すべき理由はいくつかあります。まず、ストレスを焦点とするものがあります。
心理学の研究によると、旅行に出かけることで不安や心配事の原因となるものから離れ、
ストレスを自分でコントロールする手助けをしてくれる、というものがあります。
自分自身のために休むことで、うまくいくであろうという気分になってくるというものです。
その結果は、心臓にも良い働きになるようです。
次に、旅行は想像力を活性化させることに関係があるとされています。
視野の広がり、共感力の高まり、他人を信頼しやすくなるそうです。
そうすると、周りは受け入れてくれやすくなりますので、仕事もしやすくなるわけです。

お金と幸福度の関係を占める研究では、物を買うためにお金を使うよりも、
体験することにお金を費やす方が幸福感を感じやすく、他人とのつながりを感じるようです。
秋の旅行に出かけますか。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」419号(2020年11月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。