正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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健康とは何?

健康を失った時には痛切にその大切さ、ありがたさを感ずるのですが、健康とは何かと問われても、なかなかはっきり答えられるものではありません。「元気で、食事がおいしくて、気分がよくて」というような体験、健康観や自覚、基本的欲求の充足、などで表現してしまいます。けれど、これらは健康の一面に過ぎません。

現在広く使われている健康の定義は、WHO憲章前文に書かれたものです。保健体育で必ず出てくる「健康とは、完全な身体的、精神的及び社会的良好の状態であり、単に疾病又は病弱でないということではない。」、というものです。総体の調和がとれ、満足できる幸福な状態であるという、全人的健康観を示すもので、最高到達目標としての健康をさしています。

この理想定義の具体的表現として、「健康とは、各人の年齢に応じて、かつ環境に内在する経済的条件において到達可能な高度の身体的・精神的ならびに社会的安寧である」と記され、その人のありのままの状況を構成するひとつである地域社会と個々の健康への関わりとその関係、すなわち社会的事象としての健康について言及しています。つまり、性や年齢や障害・病気の有無にかかわらず、人がその生涯を閉じる最後まで、固有の身体と心と環境との調和が最高度のものと成るように、生命の質そのものの自己実現ができる状態、それに向かっている理想的な状態です。

人生の目標に到達するために生きる意志と自己制御力を持ち続け、能力を最大限に発揮し、社会的経済的生産的活動を行うことです。さて、あなたは健康ですか?

 


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」184号(2001年4月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
北海道大学 大学院保健科学研究院 生活機能学分野 教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。