先の見えない時代に
年金未納問題で世の中が騒がしいところです。
老後のあるべき姿が見えずにいるのに、学生に年金を払うべきかと問われ、
答えに窮してしまう事態におちいります。
かっての常識は通用しないものとなり、老後の準備は
30代の半ばから始めなくてはならないといわれている現在、さて、どうなりますことか。
家族は産業経済の中でますます小規模化していく。
晩婚化、高齢化、離婚の増大により、単身で生活する期間が男女ともに長くなっていく。
少子化が進む。女性の職場進出は増加し、子育てのために仕事を中断する期間は短縮していく。
同時に専門的職業に就く女性が増大する。家庭機能の外部化、家事労働の合理化が進み、
個人個人が家庭外からサービスを購入する傾向が強まる。
離婚は増大するが、老婚を含む再婚も増大する。
高齢者は夫婦ふたり暮らし、あるいはひとり暮らしが増加する。
高齢者に対する福祉の有料化が進行し、民間の福祉サービスが充実してくる。
これらは80年代の半ばに指摘されたことです。現実にもほとんどこの通りに変化しました。
しかし、意識の中では、どれだけ変化したでしょうか。
活用すべきものは活用できる心構えはできていますか?
知り合いのお年寄りは、介護保険で介護サービスを利用することになりました。
ヘルパーさんが時々、お家のことをしに来てくれることとなり、身体は楽になるはずでした。
ところが、ヘルパーさんの訪問の前日は大変で、お掃除とお洗濯。
特にお手洗いをきれいにしなくてはならないと、がんばります。
ヘルパーさんの来られるときはぐったり。汚れたところを他人には見せたくないという思いの強い方でした。
家事の機能の外部化は、受けとめる側も意識を変える必要があります。
こんな介護保険のサービスも含めて、自分の老後を、生活を考えることが必要な時代です。
ご夫婦で、ご家族でそんな時間を持ってはいかがでしょう。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」222号(2004年6月5日発行)に掲載された記事です。
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