正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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ニオイは気分をかき立てる?!-嗅覚

食べ物のニオイを嗅いで、おなかを鳴らした経験はありませんか。街中で知っている香水のニオイを嗅いでどきっとしたこと、ありますよね。

ニオイを感ずる感覚の嗅覚は、非常に原始的で強力なものです。動物は縄張りをニオイ痕跡で示すように、ニオイ信号で連絡を取ることができます。その意味で人間の嗅覚は、他の動物や他の感覚に比べて重要性を失っているといえるかもしれません。けれども、なじみのある香水は気分をかき立てることがあるように、感情や情動には大きな影響を与えているようです。

ニオイは味覚に大きな影響を与えますので、食物のニオイは重要です。おいしいニオイに味覚は左右されるわけです。お料理の少々苦手な人はエッセンス、ユズやしょうがなど使うと、お料理の腕を上げたと思われるかもしれません。

食欲がなかなかわかない時があります。風邪をひいて鼻づまりの時には食欲不振になりがちです。そんな時には、食事の前に長ネギのニオイや、酢、ガーリックのニオイを嗅ぐと食欲が出てきます。

ニオイは気分を高揚させたり、落ちつかせたりする刺激にもなります。アロマテラピーはその例です。目を覚ます効果のある香りとしては、酢、バニラ、マスタード、レモン、シナモン、ストロベリー、ガーリック、タマネギなどがあります。逆に、落ちつくものは、バナナオイルやナツメ、花の香りなどです。気をつけなくてはならないものとして、アンモニアのニオイは心臓血管系に影響を及ぼすことがありますし、花の香りはアレルギーを引き起こすこともありますので要注意です。

嗅覚や味覚は視覚や聴覚と同様、年齢にともなって鈍ります。ですから、非常に弱いニオイよりも強いニオイの刺激が望ましいことになります。年をとると強いニオイの整髪料や化粧品でぷんぷんの人が出てくるわけです。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」160号(1999年4月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
北海道大学 大学院保健科学研究院 生活機能学分野 教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。