正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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休み明けは・・・

休日最終日の夕方から休み明けに感じる憂鬱な気持ち。日曜日の夕方のサザエさんの放送が始まる頃に例えた「サザエさん症候群」とか、月曜日の辛さから「ブルーマンデー症候群」と言われています。

休日になると仕事や勉強から解放され、緊張感がほぐれてリラックスした気分になります。自律神経系の交感神経のスイッチがOFFの状態になるためです。休日のだらだら状態が長く続くと、交感神経のスイッチをONにするのに時間がかかります。そのため、やる気が出なかったり、体調がすぐれなかったりといったことが起きやすくなっているのです。

普段から休み明けの体調を整えるには、休日でも規則正しい生活を送ることが有効です。良質な睡眠、栄養バランスの整った食事、適度な運動などを意識しておくと良いでしょう。ですが、若い人にはなかなか難しいかもしれません。普段の仕事の頑張りが、休みを特別な日にしてしまうかもしれません。気分のワクワクのために、つい不規則な生活になりがちです。

これを解消するには、休日の最終日には軽い運動をしておくことです。できれば、太陽の光を浴びながらの運動は理想的です。仕事をする前に一度交感神経のスイッチをONにさせておくことで、休み明けでも交感神経が活性化しやすい状態になるわけです。さらに、太陽の光は体内時計をリセットしてくれる効果が期待できます。休日明けには爽快な気持ちで仕事を開始できそうです。

ただし、それでも体調がすぐれない場合があります。2週間以上続く場合は、うつ病などの可能性がないわけではありません。さぼっているとか、怠けているとか思われがちで、病気と気がつかない場合もあります。環境の変わった4月の緊張から、連休もエネルギーが切れたように、休まれることもあると思います。体調不良は数日から1週間でおさまることが多いです。2週間以上続く場合は、心療内科を受診することをおすすめします。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」461号(2024年5月7日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。