乾いた季節
冬にインフルエンザが流行するのは、寒さのために体が冷えて、代謝が下がってしまうこともありますが、湿度の下がった乾燥状態も原因の一つです。
インフルエンザ・ウイルスは、空気が乾燥すると元気になります。加えて、乾燥はのどの粘膜の防御機能を低下させます。ウイルスが粘膜に取りつくと、非常に速いスピードで増殖し、24時間後には100万個に増えて、のどの粘膜の細胞を壊し始めます。そのため、インフルエンザの潜伏期間は短く、大流行となるわけです。冬の気象条件は、インフルエンザ・ウイルスにとって都合の良い条件がそろっているのです。
そこで、インフルエンザの予防対策として、湿度を保つことが必要になります。湿度は50~60%を保つことです。睡眠中に口を開けて寝る癖のある人は要注意です。口を開けての呼吸はのどが乾燥します。加湿器やマスクをして寝ることをお勧めします。
乾燥は肌荒れも引き起こします。冬になるとお肌がかさかさしますし、かさかさ肌にはかゆみをともないます。肌が乾くと、かゆみのような刺激に弱く、閾値(いきち)が低くなるために、とてもかゆく感じてしまうのです。
乾燥肌が原因のかゆみは、ついかいてしまいますが、これはかゆみ症状を一層悪化させます。かゆみは体温が上がっているときに感じることが多いので、外から冷やすこともよいです。ただし、冷やし過ぎやぬらしたままでいることは、肌の水分をさらに乾燥させてしまうので、ドライタオルで冷やすとよいでしょう。
入浴後は、濡れたままにせずに水分を拭き取り、しっかり保湿することが大切です。また、ビタミンB2やビタミンEの多い大豆製品や、ビタミンCが豊富な野菜を取ることも乾燥肌対策になります。
暖房は控え目にして加湿することは、お肌のためにも、インフルエンザ予防としても大切です。そして、睡眠時間を確保することです。こころとからだに潤いが必要なのです。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」302号(2011年2月5日発行)に掲載された記事です。
著者 |
|
略歴 |