タバコは認知機能にも影響する
糖尿病や喫煙といった心臓病に影響を与える危険因子は認知機能の低下にも関係していることが、オランダの大規模研究で明らかになっています。この影響は高年齢層だけではなく、若い人においても見られた結果でした。
研究の対象は35~82歳の3800人。喫煙や糖尿病、コレステロール値の高さなど心臓病の危険因子のほか、記憶力の程度や計画性、仕事の遂行や場面転換への能力など、認知機能に関する評価を行ったものです。
その結果、心臓病の危険因子が最も高かった群では、最も低かった群に比べ、認知機能の評価が50%低いものだったそうです。なかでも、喫煙と糖尿病という心臓病の2つの危険因子は認知機能低下に強く関連していた結果でした。また、この関係は年齢にかかわらず認められていました。
タバコが関係する心臓の病気は、心臓の筋肉に酸素や栄養を届ける血管が詰まったり、狭くなったりすることにより起こる虚血性心疾患が代表的なものです。ニコチンが血管を細くさせてしまうからです。
糖尿病と心臓病の関係は、長い間血糖値が高い状態だった血管が固くなって動脈硬化を引き起こし、血栓という血の固まりができやすくなったり、血管自体が細くなって、やがて完全に詰まったりするからです。
若い人にも見られたという結果では、喫煙や肥満、糖尿病の影響が心臓に出るまでには、年月がかかると思いがちですが、そうではないということがわかります。そして、心臓病の危険因子はメンタル面にもダメージを及ぼします。心臓に悪いことは脳にも悪いということです。
心臓病のためだけではなく、認知症の予防としても、禁煙は大切なことです。やめられるかどうかは、あなた次第。禁煙をおすすめします。
若い軽度の高血圧の場合には、食事療法よりもヨガが効果的という研究もあります。まだ、予備研究ではありますが、継続することは重要なようです。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」330号(2013年6月5日発行)に掲載された記事です。
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