ワインの季節
ボジョレーヌーボーの解禁日は11月の第3木曜日。今年も軽快で優しいワインが楽しめるのはもうすぐです。
適度なワインはアルツハイマー病を予防するという研究結果があります。フランスのボルドー大学の研究で、一定量のワインを毎日飲み続ける人の場合には、アルツハイマー型認知症の発生率がお酒を全く飲まない人のわずか1/4にとどまっているという報告です。この研究でいわれている一定量とは毎日グラスで3~4杯ですが、これは研究によっていろいろです。
1日1~2杯飲む人の場合、認知症のリスクは健常な人のグループと比べて40%低かった、というものもあります。
適度な飲酒が認知症のリスクを軽減することは間違いないようですが、その量はいろいろな説があります。赤ワインに含まれているポリフェノール成分「レスベラトロール」が長寿遺伝子を活性化するためです。毎日グラスで1、2杯が良いところのようです。飲み過ぎは逆効果です。
さらに、ワインはうつ病の発症にも影響するといわれています。スペインの研究ですが、1日にワイン1杯を飲んでいる人たちは、全く飲まない人に比べ、うつ病の発症が28%低下していたそうです。多くの調査で、うつ病がアルツハイマー病をはじめとする認知症の危険因子であることが報告されています。ワインが効果を示す機序は、うつ病と認知症と同じなのかもしれません。
その他の理由として、ワインをほどほどに飲む機会は家族や友人と楽しみとなる場合が多いため、社会的なつながりがうつ病にかかるリスクを低下させていることも考えられます。どちらにしても、ワインを適度に楽しむ生活であれば、うつ病となるリスクも少ないということでしょうか。人と接する機会を増やすという点からは、認知症の予防にもつながります。
逆に、現実逃避のためにワインを飲み過ぎる場合は、うつ病になるリスクも高く、酔いつぶれる人は認知症になりやすいようです。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」335号(2013年11月5日発行)に掲載された記事です。
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