正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

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強い心を保つために

なでしこジャパン、試合のたびに強くなっていくようです。決してあきらめずにボールを追っていく姿はすがすがしさを感じさせます。あの少年のような身体のどこに、そんな強さがあるのだろうと思います。錦織圭くんも強い。痛めた足は治りきるはずもなく、それでも走る。

彼女たち、彼らは本当に心が強くなったと感じます。じわじわじわじわ前に出て、ひるまず攻撃していく。これだけ強くなるためには、どれだけの努力をしているのでしょう。

強い心を持つ方法はいろいろなところで言われています。たとえば、他人と比較しない、気持ちを切り替える手段を持つ、自分を信じる、自分を理解する、などです。しかし、これらはなかなか難しいです。わかっていても、できないのが普通のことです。

うつ病の治療法に、認知行動療法というものがあります。これはストレスを上手に対処するための方法でもあります。認知のトレーニングとして、①状況に応じた考え方ができるように手助けする(認知)、②自分の行動を振り返り達成感や喜びを感じられる行動を増やす(コントロール感覚)、③自分の考えや気持ちを伝える(コミュニケーション)、の3つからなるものです。

これらは、大脳前頭葉の前側の「前頭連合野」という、ヒトを人間たらしめる脳を働かせます。そのためのテストが有効です。たとえば、下の図のようなテストがあります。

色つきの文字、色と漢字の意味の異なるものです。まずは「漢字の読み」で読んでみてください。間違えることは少ないです。次に、「色」で読んでみてください。いかがでしょう。脳が活性化する良い刺激になります。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」355号(2015年7月6日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。