正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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季節の変わり目に

寒くなってきました。北海道の大雪山系は積雪がニュースになりました。しかし、関東圏ではまだ夏日が続いています。小さな島国の日本ですが、季節の変化の地域差のなんと大きいことでしょう。

季節の変わり目で、体調を崩されている方はいらっしゃいませんか。寒さを感じて、風邪を引いたとか、頭痛があるとかなどです。季節の変わり目には頭痛が起こりやすくなる条件がそろうのです。寒さとともに頭痛がやってくるというお話です。

温かい状態から寒い状態、逆の場合もそうですが、身体はそれに合わせようとします。体温は外気温にあわせて反応しますので、血管が収縮したり、広がったりします。その反応が急激に起こるために神経が刺激され、頭痛が起きるのです。冷たい氷を食べた時、頭がキーンと痛くなる、あれと同じです。

急に冷え込んだと感じると、血管は収縮します。そのため、頭が痛くなる。時には、風邪の引き始めのような状態のだるさや痛さを感じたりするのです。

女性には冷え性の方が多いですが、これも頭痛に関係します。冷え性は変化に対応できないために起こります。温度変化に敏感であるほど、血管は収縮し冷え性になりやすいです。そうすると、筋肉にも力が加わり、首筋や肩から痛みが起きることもあります。痛みはじわじわしたものになります。

このような頭痛には身体を温めることが効果的です。薬の使用は即効性がありますが、一時的なものとなります。なので、まずは身体を温めてみましょう。身体を温めると、血管の収縮で緊張していた筋肉もほぐれます。

温め方はいくつかあります。ひとつは防寒対策。身体を冷やさないことです。予防になります。冷えた身体はお風呂でゆっくり温めること。これは頭痛だけでなく、冷え性にも効果があります。そして、身体を温める運動も大切です。ストレッチや軽めの運動で十分です。身体の温まるものを食べることも、頭痛対策になります。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」358号(2015年10月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。