iPS細胞「他家移植」目の黄斑変性
他人に移植しても拒絶反応が起きにくい特殊なiPS細胞を使った「加齢黄斑変性」の手術がニュースになりました。「他家移植」と呼ばれるものです。この成功は再生医療の普及につながることが期待されます。
患者本人のiPS細胞を使った「自家移植」には費用が約1億円かかるそう。それに比べ、「他家移植」は凍結保存もできる。そのため、費用は10分の1まで抑えられるようです。それでも高額ですが、可能性は広がるでしょう。成功例を積み重ね、一般的になることを期待します。
この手術で対象となった加齢黄斑変性は、眼のダメージが加齢と重なり起こる病気です。網膜の中心にある「黄斑」の変性です。日本では比較的少ないといわれていましたが、50歳以上の約1%にみられ、高齢になるほど増えていきます。失明の原因になるものです。
眼のダメージを考えてみます。眼はまぶたを開けている間ずっと光にさらされています。紫外線、蛍光灯、携帯やスマホなどの青色の光(ブルーライトといわれているものです)、パソコンやテレビも強い刺激です。眼の奥にある黄斑は最も光が集まるために、ダメージを受けやすい部分です。これが眼のダメージです。スマホやパソコンのブルーライトカットをおすすめします。紫外線の日焼けを気にする以上に、サングラスが大切です。
加齢黄斑変性症の症状は、視野の中心部がゆがんでみえるものです。周辺部は正しく見えます。また、真ん中がぼわっと黒く見えにくいのもその症状です。
これに効果があるといわれているのが、ルティンです。青い光を吸収する性質があるそうです。ホウレンソウやブロッコリーなどの緑黄色野菜、卵黄に含まれています。ホウレンソウを食べて強くなるポパイが遠くまでみえる視力を持っていたのは、ルティンのおかげだったのかもしれません。
最近の研究では、ルティンは脳機能にも効果があるといわれています。眼にも脳にも良い。緑黄色野菜をとりましょう。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」376号(2017年4月5日発行)に掲載された記事です。
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