正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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仕事の山が迫る 追ってくる

春に職場を変えて、ようやく環境に慣れ始めました。心理学の研究では、人が引っ越しや職場の配置換え、あるいは病院や施設に入るなどにより環境を変えると、新たな環境に慣れるためには3か月かかるという結果が出ています。この間はドーンと構えたり、じっと様子をうかがっていたりするほうがなれるのは早いようです。

私の場合、慣れてきたと感じるのは、やるべきことが整理できたためでした。そこで少し息をつくことができた次第です。仕事の山につぶされそうになった時、6つの段階を踏むとよいそうです。

1番目は仕事の量を減らすこと、断捨離です。数ある仕事の中から、やらなくていいもの、終わっているもの、無意味化したものを削除します。『思いつきでリストに入れたけど、本当はそこまで必要ではない』というものがあるはずです。簡単な代替案で解決できるかもしれません。

次は協力者が必要な仕事を優先します。協力者を求める仕事をコントロールするのはなかなか難しいものです。協力者との信頼関係は、次の仕事にも影響します。

3番目は終わっている仕事をはっきり終わらせることです。実は終わっているのに報告や最後のひと手間がおざなりになっていることは、結構あります。せっつかれて慌てる前に片付けてしまうととても楽です。仕事を依頼した側は、今か今かと仕上がりを待っているので、途中経過を報告しておくことも大切です。

4番目は、10分以内に終わる仕事を片付けることです。人の集中力が最も効率よいのは10分から15分です。

5番目は、他人に依頼できる仕事を整理して、依頼することです。指示を待っている人は多いです。また、早く依頼されたほうが、優先度を上げてもらえる可能性が高いです。

そして、最後に、自分の仕事に取り組みます。

この6つのステップを一日の中で回していくのがポイントです。3で止めると、バランスが悪くなってしまいます。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」403号(2019年7月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。