正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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男の子と女の子の違いは本当にあるの?

男の子は粗野で乱暴、攻撃的、でもリーダーシップがある。算数や理科が得意。女の子は思いやりがあり、優しく、そして甘え上手。得意な科目は国語。よく聞くことですが、これは本当なのでしょうか。

知的な能力全般を一般知能と呼びます。これまでの研究結果では、児童期の一般知能については、男女の差はないと結論づけられています。ただし、女の子の知的発達は、男の子より若干早く進む可能性があるため、小学校低学年では一時的に女子の優位が認められます。これは単に知的発達の速度の問題と考えられています。言葉や空間の位置関係のように、ある側面だけを取り上げた場合には、一貫したものではありませんが、性差があるとも報告されています。おしゃべり上手な女の子と、地図をみるのが好きでも、道に迷いやすい女の子の姿です。

全体的な不安については、性差が見られないとする研究結果が多いですが、性差の見られた場合は女の子がより強い不安を示すようです。攻撃性は一貫して男の子優位です。けれどもこれは幼い頃からのしつけの中で、男の子はこわがらないことを、女の子は乱暴をしないよう繰り返えされた文化的背景もありますので、このことがどのような影響を及ぼすのか解明されなければなんともいえません。

また、女の子の社会的行動は、基本的人間関係、信頼関係を中心としており、これは女性の道徳的価値観や役割期待と一致していることからも、幼い頃からの行動や情緒的反応を繰り返ししつけられている結果でしょう。

児童期は一時的にではありますが、身長も体重も女子の平均が男子を上回る時期です。精神的にも女の子の大人っぽさが目立ちます。この時期に自信や有能感を持つこと、「私はやる気になればできるんだ」という感覚を育くむ好機と思われます。女性であることへの自信と誇りを児童期の間に十分育てることが必要です。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」170号(2000年2月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
北海道大学 大学院保健科学研究院 生活機能学分野 教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。