性について
性に関連する言葉が3つあります。ひとつは、生物学的側面の性を表現するセックス。
オリンピックなどでのセックス・チェックは、女子選手の染色体を調べます。
これに対して、社会的・文化的に形成される性を表現するジェンダー、
そして、人格的に性をとらえているセクシュアリティがあります。
セクシュアリティは、呼吸したり、食事をしたり、眠ったりすることと同じように、
人間にとっては欠かせないものとして位置づけられます。
ひとり一人のセクシュアリティは、他者とは比べることのできない個別なものです。
これには、性染色体、外性器と内性器、戸籍上の性、性自認(自分の性をどう認識しているか)、
性指向(どのような性に惹かれるか)、服装・行動パターンなどが含まれます。
これらはバリエーションがあるもので、
これだから正しいとか間違っているといった基準はいっさいないものです。
人間の性は愛情を表現し、お互いを理解し尊重した人間関係を深めていくような連帯性、
そして快楽性という面を持っている、といわれています。
その人らしい充実した人生を過ごしていくための性として広がりと深さを持っているということです。
1994年の国際人口開発会議でリプロダクティブ・ヘルスという言葉が使われました。
生殖のシステムとプロセスに関わるすべてにおいて、病気や障害がないということではなく、
身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを言います。
このことは、安全で満足のいく性生活を営み、子どもを産む可能性、いつ何人産むか、
または産まないかを決める自由を持つことです。
女性の健康と権利のことのように思われますが、
たとえば性感染症は性的なパートナーとの間で起こることですし、
避妊もひとりではできないことです。
また、妊娠・出産・育児も、共同作業となりますので、男性にも大きく関係している考え方です。
この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」195号(2002年3月5日発行)に掲載された記事です。
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