正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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「瘀血(おけつ)」って何?

     - 鍼灸治療

「瘀血(おけつ)」という言葉を聞いたことがありますか?
東洋医学の体の状態についての考え方のひとつで、血液の流れが悪くなり、
それによって体のあちらこちらに不調が現れてくることをあらわすことばです。
ストレスの多い現代社会の中にあって、
多かれ少なかれどなたにも瘀血の存在はあるといっていいかもしれません。
ただ、元々の体質や生活のしかたなどによって、瘀血度の高い人、低い人がいることも事実です。
さて、あなたの瘀血度はいかがでしょう?瘀血のある方は次のような症状が出やすいようです。

①顔色がどす黒く、目にくまができやすい
②舌の色が暗赤色、唇が紫っぽい
③お腹や脚に紫色の細かい毛細血管が浮き出ている
④月経の色が黒ずんでいたり塊が生じることがあり、生理痛がある
⑤肩や首筋がこり、頭痛がある
⑥手足が冷える

血液は新鮮な酸素や栄養をからだのすみずみに運ぶ大切な役割を担っています。
その血液の流れが滞ってしまうと、脳や内臓の働きが悪くなり、さまざまな不調を引き起こします。
皮膚はつやがなくなり、よく眠れず思考力も落ちて物忘れが多くなり、年齢よりも老けて見られます。
更に進むと血管性の病気など、深刻な症状を引き起こしかねません。

瘀血の予防はなんといっても毎日の生活にかかっています。
バランスのよい食事を心がけ充分な睡眠をとり、適度な運動を行い筋肉をよく動かしましょう。
気持ちをリラックスさせるために、
たまには好きなことがたっぷりできる余裕・ゆとりの時間を持ってみてはいかがでしょうか。

最後に当院でのエピソードをひとつご紹介いたします。
ある女性が腰痛・肩こりで来院されました。
「目の下のくまが消えないのよ…」とおっしゃっていましたが、
治療を終えた頃にはくまがすっかり消え、お顔全体に透明感がもどっていました。
私自身があらためて鍼灸の持つ力に驚いた経験でした。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」298号(2010年10月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。