正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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東洋医学でアンチエイジング 其の壱~「腎」を大切に~

     - 鍼灸治療

アンチエイジングということばがよく聞かれるようになりました。
いつまでも若く元気でいたいというのは万人共通の願いです。
古代の中国では秦の始皇帝(紀元前259-210)が不老不死を求め、
当時の医薬の専門家であった徐福に蓬莱の国へ行き仙人を連れてくるよう命じたというお話しがあります。
現在では加齢にともなう動脈硬化やがんなどの発症をおさえ、
健康長寿を目指す医学としてのアンチエイジングや、
しみ・しわ・抜け毛などを防ぐことを目的とした
美容面へのアプローチとしてのアンチエイジングなどが研究されています。

東洋医学では体のしくみの考え方として、臓象学説と呼ばれるものがあります。
体のあらゆるはたらきを5つの要素に分けて、
それぞれ肝・心・脾・肺・腎の五臓にあてはめて考える方法です。
この場合の五臓は西洋医学でいうところの臓器そのものを指すものではありません。
その中でも特に「腎」の働きがアンチエイジングに強くかかわっています。
東洋医学の「腎」は成長・発育・生殖に関する働きを
生涯にわたって左右する重要な生命力のもとと考えられています。
また「腎」は骨の発育や維持、歯、髪などとも深くかかわってきますので、
「腎」が弱ると泌尿器系や生殖器系の働きが悪くなったり、骨粗鬆症や白髪、抜け毛などが起きてきます。
ですから若さを保つ秘訣は「腎」の勢いを温存することといえます。

「腎」の勢いを衰えさせないためにはどうすればよいでしょう。
①過労や精神的なストレスなど、からだに過酷な状況をつくらないようにしましょう。
②「腎」は寒さに弱いため体を冷やさず、適度な運動をして足腰をしっかりさせましょう。
③黒い食べ物(黒豆・黒ゴマ・ひじき・のりなど)は「腎」を養うといわれているので、食卓にのせてみましょう。

いくつになっても元気で美しく生き生きいられるために、
いま一度ご自分の体に無理を強いていないか毎日の暮らしぶりをチェックしてみてはいかがですか。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」303号(2011年3月5日発行)に掲載された記事です。

著者
工藤由美子
F&E鍼灸院 院長

●鍼灸師
●不妊カウンセラー
●介護予防運動指導員
●ヨガライフ協会認定インストラクター
●アロマテラピーアドバイザー
●メディカルハーブコーデネーター

著者メッセージ
ヨガインストラクターを長く続けさせていただくうちに、身体の故障や不調にマンツーマンでアプローチできる方法を学びたいと思い、鍼灸師の資格を取得しました。体のしくみや病気の勉強をしていくうちに当ヨガ協会の教え「食・心・動」の大切さをあらためて実感しました。四季を感じ、無理をせず、無駄をせず、心たのしくヨガをしていきたいと思います。